有機溶剤
有機溶剤
1.有機溶剤とは
有機溶剤中毒予防規則でいう有機溶剤とは、労働安全衛生法施行令(令)別表6-2に示す有機溶剤をいいます。
令別表6の2(2018.12.22更新)
2.有機溶剤等とは
有機溶剤または有機溶剤含有物で、有機溶剤(令別表6の2に示す溶剤)を5%を超えて含有するものをいいます。
●第1種有機溶剤等
イ 令別表6の2の右欄に示す第1種有機溶剤
ロ 第1種有機溶剤のみからなる混合物
ハ 第1種有機溶剤を5%超えて含有する混合物
●第2種有機溶剤等
イ 令別表6の2の右欄に示す第2種有機溶剤
ロ 第2種有機溶剤のみからなる混合物
ハ 第2種有機溶剤を5%超えて含有する混合物
●第3種有機溶剤等
有機溶剤等のうち第1種有機溶剤等および第2種有機溶剤等以外のもの
3.有機溶剤業務とは
次に揚げる業務をいいます。
イ 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱または容器もしくは設備への注入の業務。
ロ 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴムもしくは可塑剤またはこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌または加熱の業務。
ハ 有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務。
ニ 有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込みまたは描画の業務。
ホ 有機溶剤等を用いて行うつやだし、防水その他物の面の加工の業務。
ヘ 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務。
ト 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務。
チ 有機溶剤等を用いて行う洗浄(ヲに掲げる業務に該当する塗装の業務を除)または払しょくの業務。
リ 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務(ヲに掲げる業務に該当する塗装の業務を除く)。
ヌ 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務。
ル 有機溶剤等を用いて行う試験または研究の業務。
ヲ 有機溶剤等を入れたことのあるタンク(有機溶剤の蒸気の発散するおそれがないものを除く。以下同じ。)の内部における業務。
※適用除外:有機溶剤業務を行っていても有機溶剤等の許容消費量を超えなければ規則が適用されない場合があります。なお、適用除外には所轄労働基準監督署長の認定が必要です。
4. 適用場所
有機溶剤中毒予防規則が適用される適用される「屋内作業場等」は以下のとおりです。
【屋内作業場等】
●屋内作業場
●タンク等の内部
①舟艇の内部 ②車両の内部 ③タンクの内部 ④ピットの内部 ⑤杭の内部
⑥ずい道の内部 ⑦暗きょまたはマンホ-ルの内部 ⑧箱桁の内部 ⑨ダクトの内部
⑩水管の内部
5. 有機溶剤中毒障害予防規則による規制の概要
有機溶剤の区分によって様々な規制があります。主な規制を下表に示します。
作業環境測定
1.測定が必要な作業
第1種及び第2種有機溶剤等に係る、有機溶剤業務を行う屋内作業場については6月以内ごとに1回、空気中の有機溶剤の濃度を定期的に測定し、下記事項について記録し、3年間保存しなければならないとされています。なお、測定は、作業環境測定士が作業環境測定基準に従っておこなわなければならないとされています。
1) | 測定日時 | |
2) | 測定方法 | |
3) | 測定箇所 | |
4) | 測定条件 | |
5) | 測定結果 | |
6) | 測定を実施した者の氏名 |
2.測定結果の評価
作業環境測定を行った作業環境測定士は、そのつど、速やかに、作業環境評価基準に使って、作業環境の管理の状態に応じ、第1管理区分、第2管理区分または第3管理区分に区分することにより、測定結果の評価を行います。
3.評価の結果に基づく措置
事業者は、第3管理区分に区分された場所について、次の措置を講じる必要があります。
1) | 施設、設備、作業方法の点検 | ||||||||||||||
2) | 点検結果に基づき、施設または設備の設置または整備、作業工程または作業環境を改善し、第1管理区分または第2管理区分とするため必要な措置 | ||||||||||||||
3) | 改善の効果を確認するための測定および評価の実施 | ||||||||||||||
4) | 有効な呼吸用保護具の使用、健康診断の実施労働者の健康の保持を図るため必要な措置 | ||||||||||||||
第2管理区分に区分された場所については、1)と2)の措置を講ずるよう努める必要があります。